2010年11月14日

イメージクラシック「森」その1

シューマン チェロ協奏曲イ短調
 
 紅葉と霧に包まれた晩秋の森は寂しくも温かい
 
シューマンのチェロ協奏曲はこの晩秋の森のような雰囲気を持った曲です。

暗い森の中に咲く幻想の花々
森の落ち葉は温かく旅人を迎える

切なくも温かい響きを持ったチェロの音色はあたかも山の地面に敷き詰められた紅葉の暖色のように、暗い森の中を旅する人の心を和まし、目的地へと導いてくれます。

 シューマンは40歳のころ、このチェロ協奏曲を作曲しました。この後シューマンの精神病は悪化し作曲の腕もかつてあったような輝きを失っていきます。そういう意味では、このチェロ協奏曲はまさにシューマンの作曲家としての最後の実りの時期の作品であり、この時期は美しい紅葉が散る直前の最後の晩秋に例えることができると思います。

 この曲を僕が最初に聴いたのは確か大学1年の秋だったと思いますが、オーケストラの派手な盛り上がりもなく、つぶやくように地味なチェロの響きに名曲と感じることができませんでした。この曲がとてもいい曲だとわかったのはそれから10年後のことです。この曲は聴けば聴くほど奥が深く、全く飽きがこない不思議な魅力を持った作品です。標題を持ったシューマンの他のオーケストラ作品の陰に隠れていますが、僕はこの作品こそがシューマンのオーケストラ作品の中で最高傑作だと思っています。


ラベル:シューマン
posted by やっちゃばの士 at 16:55| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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