2012年09月23日

イメージクラシック「山」その7

ダンディ フランス山人の歌による交響曲

一夏の思い出
今日ここに封じ込めよう

 残暑が厳しい毎日が続きます。僕は経営する会社の心配などで、なかなかこのブログに手をつけることができず、もう9月もあと10日余りとなってしまいました。平和な夏の思い出に、フランスの作曲家ダンディフランス山人の歌による交響曲を添えたいと思います。

 この曲の第1楽章の冒頭イングリッシュホルンの民謡風な響きは、「昔々あるところに・・・」といったような懐かしさに満ちていて、この曲でもっとも印象深い旋律です。この旋律はフランスのセヴァンヌ地方の民謡のようで、この交響曲はセヴァンヌ交響曲とも呼ばれます。

 ダンディは山が好きだったようで、この曲以外にも夏の山の朝昼番を描いた交響詩『山の夏の日』などの作品があります。やはり夏と山は切っても切れない関係があるようです

posted by やっちゃばの士 at 23:10| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月12日

イメージクラシック「山」その6

リスト 交響詩『人が山上で聞いたこと』

山は人を哲学的にする

 人は山に登ると、哲学的になるようです。おそらく、山の自然と一対一で向き合うことにより、自分の心を見つめ直すようになるのではないかと思います。マーラーは毎年夏になると山にこもって作曲をしました。ニーチェのツラトゥストラは山で思索を行ない、修験者たちは山で修業をしてきました。

 リスト交響詩『人が山上で聞いたこと』は、山での思索的な内容を音にした作品です。詩人が山の中で2つの声を聞きます。一つは力強く秩序だった自然の声、もう一つは苦悩に満ちた人間の声で、この2つの声はぶつかり合い葛藤しながら、最後は中和して静けさの中に消えていきます。

 この曲はリストの最初の交響詩で、30分近くもかかる長大な曲です。テーマは上記のように哲学的ですが、山を表す壮大な主題苦悩に満ちた人間の主題、2つの主題がダイナミックにぶつかりながら展開していく流れ等は非常に分かりやすく、またオーケストレーションもとても見事です。あまり演奏されませんが、もっと取り上げられていい曲だと思います。

posted by やっちゃばの士 at 22:14| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月25日

イメージクラシック「山」その5

メンデルスゾーン 八重奏曲変ホ長調より第4楽章プレスト

ずんずん山を下る
カーブを曲がると
次々に姿を現す
アルプスの重奏の響き

 先日信州に旅行に出かけました。蓼科にビーナスラインという標高1500メートル付近の高原道路があるのですが、この道路は広くてなだらか、山道特有の180度カーブも少なく、景色も絶景ということで、おそらく僕の今までの人生の中で通った山道の中で最も素敵なものではないかと思います。山道をドライブしながらクラシックを聴く最高に幸せな気分になります。

 数多くのCDの中から僕が選んだのが、メンデルスゾーン八重奏曲です。この曲は毎年五月になると、必ず聴きたくなる曲です。さわやかに湧きあがるような第1楽章の第1主題は、クラシック音楽の歴史の中でも最もさわやかな音楽ではないでしょうか。わずか16歳の時に作曲されたこの作品はインスピレーションに満ち満ちていて、僕には神の啓示のように思えてなりません。

 この八重奏曲は弦楽四重奏を倍の規模にしたもので、メンデルスゾーンは明らかに交響的な響きを室内楽作品で試みようとしたのですが、僕には彼の交響曲以上に交響的な、あるいは立体的な響きを感じ取れます。特に第4楽章プレストのフーガは圧巻で、次々と湧いて出る重層的で立体的な響きは壮大な峰々を重層的に現すアルプスの山々を見るようです。



posted by やっちゃばの士 at 09:12| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月10日

イメージクラシック「山」その4

バッハ ブランデンブルグ協奏曲第3番ト長調

 紅葉に燃える山をずんずんと駆け下りる

 バッハブランデンブルク協奏曲第3番は、とてもリズミカルです。リズムを刻むチェンバロと推進力のある弦楽器の響きは、秋の紅葉した山登りに最適な音楽です。バッハの音楽は、植物の成長に良いという話を聞いたことがありますが、この曲なんかを植物に聴かせるととても成長するのではないかと僕は思います。

 ブランデンブルク協奏曲は全部で6曲あり、第3番は全3楽章で演奏時間が約10分という短さです。親しみやすさは随一で、僕はこんじょ曲集の代表曲に上げたいと思います。

111016_1533~01.jpg

タグ:バッハ
posted by やっちゃばの士 at 12:51| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月31日

イメージクラシック「山」その3

ワーグナー 歌劇『タンホイザー』より 序曲とヴェーヌスベルグの音楽

 蒸し返るような暑さが続きます。噴き出す汗、露出する肌、旺盛な食欲、夏の暑さは人の心を肉的な方向へと誘うものです。夏の持つ官能性はストレートです。春の官能性が恥じらいに包まれているのと違って。

 ワーグナー歌劇『タンホイザー』の序曲に続くヴェーヌスベルグの音楽は、この夏の官能性を感じさせてくれます。ヴェーヌスベルグとはドイツ語で「ヴィーナス(女神)の山(洞窟)」という意味で、このオペラでは官能と愛欲を象徴します。このオペラのテーマは肉体的な愛と精神的な愛の間で揺れるタンホイザーの苦悩と精神的な愛による救いです。愛欲を象徴する女性のヴェーヌス精神的な愛を象徴する女性のエリザベートが登場し、音楽も愛欲讃美の主題とキリスト教を象徴する巡礼の主題の2つが互いにぶつかりあいます。


 僕が『タンホイザー』の全曲を初めて聴いたのは大学1年の時。それまで序曲しか知らなかった僕は、序曲の巡礼の主題の厳かさばかりに気をひかれ、タンホイザー序曲は秋の野山にこそふさわしい曲だと思っていましたが、ショルティのパリ版のヴェーヌスベルグの音楽を聴くと、その官能性に圧倒され、タンホイザーは夏の野山こそふさわしい音楽だと思うようになりました。善と悪の間に揺れる大学1年の心を、ここまで陶酔させた音楽はありません。

229.jpg
posted by やっちゃばの士 at 22:23| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。