2010年04月27日

イメージクラシック「春の室内楽」A

ベートーヴェン ピアノ三重奏曲第7番変ロ長調『大公』

 春の到来を告げるものはたくさんありますが、その中のひとつに噴水があると思います。寒い冬の間の噴水は凍結防止のためもあってか、寒々しい印象を与えるためか、水が止められることが多いです。春になって温かくなると、陽気な日差しを浴びて優雅な虹を作る噴水の景色を再び見ることができます。春の午後、堂々と水を噴き出す噴水を見ていると『大公トリオ』を思い出します。

 ベートーヴェンの春の室内楽と言えば、何といってもヴァイオリンソナタ第5番『春』(スプリングソナタ)が有名です。第1楽章の第1主題はなるほど「春」をイメージさせる優雅な旋律です。ただ、風格という点ではちょっと劣ります。「春らしい優雅さ」と「陽気で堂々とした風格」を持っているのは『大公トリオ』を差し置いて他にはありません。

 作曲されたのはベートーヴェンの中期にあたり、同時期の作品としては交響曲第7番があります。ベートーヴェン中期の作品の特徴とされる「親しみやすさ」と「堂々さ」が見事に表れています。ピアノとヴァイオリンとチェロの掛け合いは巧妙で、春の風景に例えると、

ピアノははじける水玉
ヴァイオリンは風
チェロは陽気な日差し

になるのではないかと思います。


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2010年04月21日

イメージクラシック「春の室内楽」@

モーツァルト 弦楽四重奏曲第14番ト長調(ハイドンセット第1番)

 春らしさを感じさせてくれる音楽と言えば、オーケストラ、ピアノの作品もありますが、やはり弦楽器を含む室内楽が一番だと思います。弦楽器の温かい音色が春の陽気にマッチするので、春になると室内楽が聴きたくなります。春らしさを感じさせる室内楽曲を取り上げてみました。

 モーツァルトの弦楽四重奏曲第14番は、明るく新鮮な響きを持っていることから『』というニックネームがついています。ハイドンセット6曲の中では、もっとも若々しい印象を与えます。これは、楽想自体の若々しさとともに、この曲がハイドンセットの記念すべき最初の作品であることに原因があるようです。

 モーツァルトとしては異例の時間をかけて心血を注いで作曲したのが6曲のハイドンセットでした。ハイドンセットの由来は、弦楽四重奏曲のスタイルを確立し、「弦楽四重奏曲の父」と呼ばれるハイドンの作品のすばらしさに心を打たれたモーツァルトが、6曲の弦楽四重奏曲を作曲し、ハイドンに献呈したことに始まります。

 モーツァルトが心血を注いだだけあって、どの楽章も大変内容の濃い音楽となっていますが、僕が特に好きなのが最終楽章です。モーツァルトらしい非常に切れのいい音楽で、まるで春の野を白馬に乗って駆けていくような気分になります。

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