2012年04月12日

イメージクラシック「さくら」その2

ショパン ピアノソナタ第3番ロ短調より第3楽章

しっとりと肌を濡らす春の雨
ひらひらと舞い落ちる桜の花
のようなこのひととき

 まるで満杯になったコップから水があふれるように、たわわに満開になった桜の枝からはひらひらと花弁が落ちてきます。桜の花がもっともたわわになった瞬間を知ることもなく、花弁が舞い落ちて来るのを見て満開の美が過ぎ去っていくのをただだまって見ている僕。音が表れては消えていく時間芸術と言われる音楽も、幸福なひと時も、この桜の美のようにとらえられることなく過ぎ去っていきます。

 美しく散っていく桜の花を見ていると、ショパンピアノソナタ第3番の第3楽章ラルゴの中間部の美しい旋律が思い浮かびます。この楽章はこのピアノソナタの中でも最大の長さを誇り、美しい幸福に満ちた夢のひと時を与えてくれます。美しい音楽をたくさん残したショパンですが、おそらくこの楽章は彼の作品の中でも最も美しいものではないでしょうか。

 ショパンがこのピアノソナタ第3番を作曲したのは、恋人ジョルジュ・サンドと最も幸福な関係にあった時であったためか、このソナタは全楽章にわたって大変美しくまた堂々とした楽想を持っています。ショパン特有の諧謔や病的な要素は影を潜め、その点では前作のピアノソナタ第2番変ロ短調『葬送』とは対照的です。

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ラベル:ショパン
posted by やっちゃばの士 at 17:54| Comment(0) | TrackBack(0) | さくら | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月12日

イメージクラシック「さくら」@

フランク(ベルギー)ヴァイオリンソナタイ長調(1886年)


 満開になった桜の花。今年は1週間以上散ることもなく楽しませてくれましたが、今日冷たい雨にぬれてひらひらと舞い散っていく姿を何度も目にしました。


枝いっぱいにたわわと咲いている艶やかな桜
とめどなくひらひらと落ちていく名残惜しい桜

 僕はこのような桜の姿を見るたびに、フランクのヴァイオリンソナタが似つかわしいと思います。このヴァイオリンソナタはベートーヴェン、ブラームスと並ぶクラシックのヴァイオリンソナタの代表格ですが、僕はその中にあって


一番艶やかなソナタ


だと思います。優雅な主題で始まるこのソナタですが、聴いて行くうちに「優雅さ」よりも「艶やかさ」を感じてくるようになります。フランクという人はオルガニストを長年勤め、60歳くらいになって初めていくつかの傑作を残した大器晩成型の作曲家でした。ただ、作品はそんな地味なキャリアとは正反対に、とても艶やかで官能的な響きを持っています。このヴァイオリンソナタとピアノ5重奏曲がその最たるものと言えるでしょう。

 フランクはこの曲を弟子の結婚祝いに捧げました。このこともあってか、僕はこの曲に男と女の出会いから結婚生活までのストーリーがあるような気がして仕方がないのです。そして、そこに「さくら」が見事に絡んでくるのです。

第1楽章 優雅で艶やかな主題 男女の愛 満開のあでやかな桜
第2楽章 疾風のような音楽  夫婦喧嘩 ひらひらと風に舞う桜
第3楽章 アダージョ停滞した音楽 夫婦の危機 地面にたまった花弁
終楽章 よかったねと思わせる音楽 夫婦の仲直り 新緑の希望

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posted by やっちゃばの士 at 23:07| Comment(0) | さくら | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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