2010年02月06日

イメージクラシック「夜明け」@

ロッシーニ 歌劇ウィリアムテル』序曲より 夜明

2月になって、日が昇るのがだんだん早くなってきました。カーテンの間からうっすらと白い光が差し込んでいるのを見ると、もうすぐ春なんだなあというわくわくした気持ちになります。

さて、太陽が昇る前後の時間を夜明けと呼んでいますが、「夜明け」は古今東西を問わず、芸術作品で取り上げられてきました。たとえば、平安時代の清少納言の『枕草子』の一節、

春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際、少し明りて、紫だちたる雲の細くたなびきたる

は夜明けの風情を示したものとしてとても有名です。また、「夜明け」は光が差し込むという意味で、苦痛から喜びへという人生や感情において比喩的な意味でも多くつかわれます。

このように「夜明け」は、

物理的にも
比喩的にも


人が好む言葉あるいは概念ではないでしょうか。


さて、クラシック音楽にも、夜明けはたくさん登場します。文字通りの「夜明け」を描写したものから、比喩的な意味で「夜明け」をイメージさせるものまで多岐にわたります。

 ロッシーニのウィリアムテル序曲の夜明けは描写音楽です。ロッシーニは19世紀前半に活躍したイタリアのオペラ作曲家で、歌劇『ウィリアムテル』は、スイスの独立を描いた、ロッシーニ最後の傑作です。ロッシーニはこのオペラを最後に、作曲の筆を断ってしまい、以後40年間ほとんど作品を残しませんでした。

 この序曲は、おそらく誰もが一度は耳にしたことがあるクラシックの定番名曲です。この曲は次のような4つの部分から構成されています。

1.夜明け
2.嵐
3.静けさ
4.スイス軍の行進

の4部からなり、各部は切れ目なく演奏されます。まるで小さな交響曲のようです。僕はこの曲を小学校の音楽の時間に初めて聴きましたが、あまりものすばらしさにとても興奮しました。この曲との出会いがその後のクラシック人生の門を開いたのでした。どの楽章も印象的ですが、僕が一番好きなのが、

夜明け

です。独奏チェロの響きで始まるこの夜明け前の表現力は神がかり的です。

暗闇の静けさ
嵐の前の緊張感

といったものが胸をゾクゾクとさせてくれます。


 この序曲を僕は中学校以降ほとんど聴かなくなりました。ロッシーニ以外の素晴らしい作曲家の音楽に出会ってしまったからです。それでも、「夜明け」と言えばこの曲が真っ先に浮かぶのは、クラッシックの原体験がこの曲にあるからだと思います。今回の連載をきっかけに久々に聴いてみようと思います。







posted by やっちゃばの士 at 21:14| Comment(0) | 夜明け | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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