2013年01月01日

イメージクラシック「夜明け」その11

スメタナ 連作交響詩『わが祖国』より第5曲「ターボル」

夜明け前
あたりはまだ暗い
息を潜めながら
着々と戦いの準備を進める

 僕は独立してから初めての新年を迎えました。独立してみて一番感じたことは、結果を出すには必ず準備が必要であるということでした。昨年の新年の課題は独立でした。独立には戦略も必要ですが、それ以上に勢いが必要であると感じた僕は、リヒャルト・シュトラウス交響詩『英雄の生涯』で新年を出発しました。

 今年はすべてに対して、準備して臨んでいくこということで、新年の夜が明ける前にスメタナ連作交響詩『わが祖国』第5曲「ターボル」を聴いて新年に臨みたいと思います。ターボルというのは、ボヘミア南部の町の名前で、この町は15世紀に宗教戦争を起こしたフス教徒の本拠地でした。曲は不気味な静けさの中、フス教徒たちの賛美歌が、まるで夜中のフクロウのように、不気味さと力強さを持って流れてきます。この部分は戦に備えて暗闇の中で準備する風景を彷彿とさせます。

 スメタナは、この曲に対して次のような表題を与えています。「フス教団の賛美歌(われらは神の戦士たれ)が曲全体のモットーである。これはターボルに立てこもった人々に勇気を与え、不屈の精神の支えともなった。」

posted by やっちゃばの士 at 00:04| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 夜明け | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月07日

イメージクラシック「夜明け」I

サン=サーンス ピアノ協奏曲第3番変ホ長調

 大作曲家にはそれぞれの得意ジャンルがあります。彼らはどのジャンルにも優れた作品を残していますが、その中でもとりわけて曲の質と量が充実しているジャンルがあります。フランスのサン=サーンスにとって最も充実しているのが協奏曲です。彼はピアノ協奏曲5曲、ヴァイオリン協奏曲3曲、チェロ協奏曲2曲を作曲しました。その中でも、ピアノ協奏曲の5曲という数は注目に値する数で、ベートーヴェン以降の作曲家でピアノ協奏曲を5曲作曲できたのは、サン=サーンスとプロコフィエフのみです。

 サン=サーンスのピアノ協奏曲第3番は、彼の5曲のピアノ協奏曲の中では第1番と並んで影の薄い存在です。僕は以前3番のCDを買おうとカタログを調べたところ、3番単独のCDが全く存在しないことがわかり、仕方なくピアノ協奏曲全集を買ったことがあります。

 このようにマイナーですが、曲想はいかにもサン=サーンス風の洗練された香りに満ちていて、形式的にも独創性があります。僕はこの曲の第1楽章の冒頭の序奏が好きで、この序奏は夏の晴れた日の夜明けのような曲想を持っています。

木管楽器はさわやかな朝の空気
不協和音でうねる弦楽器はだんだん白んでくる空
序奏の最後グリッサンドで上奏するピアノは日の出

を表しているように感じます。この部分を聴いていると、ちょっとラヴェル左手のためのピアノ協奏曲に似ているなと思ってしまいます。ラヴェルが手本にした作曲家はサン=サーンスでしたので、ひょっとすると関係があるのかもしれません。

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2010年07月29日

イメージクラシック「夜明け」H

レスピーギ 交響詩『ローマの噴水』より第1部「夜明けのジュリアの谷の噴水」

 夏の都市の涼しげな夜明け。寝苦しかった夜の汗を流してくれるような、水の流れる音。この涼しげな空気も、やがて強い日差しと都市の喧噪の中に消えていくのだろう。

 レスピーギの交響詩『ローマの噴水』はローマの有名な噴水の1日の景色を音楽で表現した作品で、その色彩感豊かなオーケストレーションは聴きごたえ十分です。『ローマの松』、『ローマの祭り』とともにローマ三部作と呼ばれていますが、この中で一番最初に作曲され、一番わかりやすい内容を持っているのが『ローマの噴水』です。

 曲は4楽章からなりますが、その一番最初に来るのが、「夜明けのジュリアの噴水」です。涼しげな木管の響きが早朝の雰囲気を醸し出し、弦楽器の弱音はひんやりした朝の空気のようです。早朝の舞浜駅前の噴水を見ると僕はこの音楽をいつも思い浮かべるものです。

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2010年07月02日

イメージクラシック「夜明け」G

リヒャルト・シュトラウス アルプス交響曲より夜〜日の出

リヒャルト・シュトラウスアルプス交響曲は、アルプス山脈の夜明けから夜更けまでを登山家の視点を通して描かれた音楽です。キーワードクラシックでは第一に「」のキーワードに入れるべきかもしれませんが、この曲の中には

夜明け
日の出




夕べ
日没


など数々の描写音楽が登場し、それぞれがとても印象深いのです。従ってキーワードクラシックでは個々の部分を個別に取り上げることにします。

 曲の冒頭、「夜から日の出」は、闇の中で息をひそめる大地と山の呼吸のような弦楽器の下降する不協和音で始まります。輝かしい金菅楽器が次第に白んでくる空に姿を表す山頂をイメージさせます。不協和音のうねりは次第にエネルギーを増大させていき、


日の出前に最高潮に達し、続く日の出の音楽となります。


 何度聴いても不気味感と緊張感と壮大感が合わさった飽きの来ない音楽で、僕はアルプス交響曲の中でこの夜明けの部分が一番気に入っています。

 リヒャルト・シュトラウスは南ドイツ生まれとあってか、彼の作品は海よりも山をイメージさせる曲の方が多いです。アルプス交響曲以外に際立ったものとしては交響詩『ツァラトゥストラはこう語った』の有名な冒頭の部分があります。


ツァラトゥストラは人びとに説教するために山を下った


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2010年05月07日

イメージクラシック「夜明け」F

ディーリアス 『夜明け前の歌』


五月のそよ風
風に揺れる緑の葉
明るい日差し
小鳥の鳴き声


5月特有のそよ風が吹く日が続いています。冷たくはないが、半袖ではちょっとまだ心配なそよ風。雲がだんだん明るくなっていく青空を流れていく。


 ディーリアスの『夜明け前の歌』は日の出前のイギリスの田園風景を描いた音楽で、とても爽やかな曲です。僕はイギリスには行ったことがありませんが、この曲を聴くと5月のそよ風の吹く朝を思い描きます。日差しを浴びて、すべての生き物たちの活動の息吹が風に乗ってやってくるようです。


風と光と緑と水


が癒しを与えてくれます。ディーリアスと言えば『春初めてのカッコウを聞いて』が有名ですが、僕はこの『夜明け前の歌』の方が感動が大きいと思います。どちらも似たような曲ですが、風の強さが違うように感じます。


風のざわめきと大地にあふれんばかりの息吹


5月の初夏の朝にぴったりの曲です。

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