2011年11月28日

イメージクラシック「霧」その2

バッハ ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調より第2楽章

さびしさはその色としもなかりけりまき立つ山の秋の夕暮(寂蓮法師) 

11月特有の深い霧に覆われた一日でした。水蒸気を含んだ空気は冷たく、やがて来る長い冬の厳しさを感じます。夕方の林の中は極めて静かで、遠くからごおっという車や電車の雑音が微かに流れてくるだけです。広場の向こうにあるメタセコイヤは根本付近の太い幹が微かに見える程度です。

 バッハヴァイオリン協奏曲第2番の第2楽章。伴奏の低弦は深い霧を、かなしみを帯びたヴァイオリンは晩秋の寂しさを表しているようにも思います。とても深い情緒を持っていて、バッハの短調楽章の中でも最も印象深い曲の一つです。

 バッハは協奏曲をたくさん残しましたが、ヴァイオリン協奏曲は2曲のみです。特に、第2番は快活で大変わかりやすい第1楽章が有名です。深い哀愁を持った第2楽章は、快活な第1楽章の後に演奏されるので、突然暗い響きの音楽が始まると「何事が起ったのか」というような気持ちになり、このこともこの第2楽章の印象を強める原因になっていると思います。

ラベル:バッハ
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2011年05月22日

イメージクラシック「霧」その1

ドビュッシー 管弦楽のための映像より「ジーグ」

 5月の明るい日差しと新緑は、五感の中でも視覚を大きく刺激するように思います。僕は毎年この季節になると、スケッチブックを持って公園や野原に出かけたくなります。

 明るい色彩と活性化する視覚、この時期に聴きたくなる作曲家の一人がドビュッシーです。ドビュッシーの色彩感豊かなオーケストラ作品の中で、昼間の明るい光を感じさせてくれる作品が管弦楽のための映像です。映像という作品は、他にピアノ曲にもありますが、春の訪れから新緑の季節へ移り変わる広がりをもった空間をうまく表現できるのは、やはりオーケストラ曲に限ります。

 管弦楽のための映像は

第1曲「ジーグ」
第2曲「イベリア」
第3曲「春のロンド」


からなり、どの曲も色彩感に満ちています。豊かな色彩感といっても、ただ明るいのではなく、静と動、淡と濃を意識した印象派の絵画の様な色彩感といったほうがぴったりくるのではないかと思います。

 特に「ジーグ」はこのコントラストが強調された優れた作品で、濃い霧に包まれたような雰囲気で曲が始まり、やがて霧が晴れて明るい祭りが始まり、また霧の中に包まれていくといった印象を抱かせます。ここでの霧には、太陽の光があたっているのが感じられ、クロード・モネの朝日を浴びる霧のような情緒を持っています。

ラベル:ドビュッシー
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