2013年03月14日

イメージクラシック「嵐」その9

シューベルト アレグロイ短調『人生の嵐』

 強い南風が吹きつける一日でした。舞い上がる砂嵐の中を目を伏せながら歩いていると、「春の嵐」という言葉を思わずには居られませんでした。

 ドイツの作家ヘルマン・ヘッセの小説に『春の嵐』というのがあります。盲目の音楽家が主人公で、物語の持つ激しくも透明な抒情性に高校生のころ感動した覚えがあります。僕はヘッセの青年小説の持つ美しい叙情性はシューベルトの音楽の持つ美しい叙情性に似ているなと思うことが良くあります。

 ピアノの連弾曲『人生の嵐』はシューベルトが生涯最後の一年に作曲された曲です。『人生の嵐』とは、シューベルトが名づけたものではなく、この曲を聴いた人が、冒頭のたたきつけるような激しい主題からつけたニックネームです。したがって、この曲には人生の嵐などというストーリー性は全くないはずなのですが、シューベルトの最晩年の激しい曲ということもあって、何か意味づけをしたくなる不思議な力があるように思います。

posted by やっちゃばの士 at 00:02| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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