2012年11月08日

イメージクラシック「田園」その5

ブルックナー 交響曲第8番ハ短調より第2楽章

野人が夢見る

 ブルックナーは自身の交響曲第8番の第2楽章を、自ら「ドイツの野人」と呼びました。確かにこの曲は男性的な力強さを最大の特徴としますが、どこか哀愁に満ちた風が吹いているのも見逃せません。

この野人には秋の田園が似合いそうです。刈り入れが終わって藁が干してある11月の田んぼのほとりに野人が座って何かを考えているようです。やがて来るべき冬の足音なのか、楽しかった秋の収穫祭を思い出しているのかわかりませんが、僕にはブルックナーが過去の楽しみと将来への悲観の両方を思いながらこの曲を書いたように思えてなりません。

 ブルックナーは彼の交響曲の集大成という意識を持ってこの曲の作曲しました。そのため質量ともに、彼の交響曲の中で最も充実した作品となりました。ただ、彼はこのころから老いによる体力の衰えを感じていたようで、寂しさや悲壮感がこの巨大な曲のいたるところに表れています。この曲特有の深い情緒は、まるで現世の自然との別れをいとおしんでいるようにも思えてきます。

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アントン・ブルックナー

ラベル:ブルックナー
posted by やっちゃばの士 at 21:04| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 田園 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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