2012年10月29日

イメージクラシック「風」その12

ブラームス 交響曲第2番ニ長調より第1楽章第2主題

静かな夕闇の木立
さあっと西風が葉っぱを揺らす

 ブラームス交響曲第2番の第1楽章は自然に満ちた曲です。この曲はベートーヴェンの交響曲と比較され、ブラームスの田園とまで呼ばれました。ベートーヴェンの田園が描写的な音楽だとすると、ブラームスの田園はとても内面的です。ベートーヴェンの田園を聴いていると美しい田園風景が絵画的に浮かび上がってくるのに対して、ブラームスの田園は自然の情緒のようなものが象徴的に浮かび上がっては消えていくイメージです。分かりやすく言えば、前者ははっきりとした昼間の世界の自然を、後者は漠然としたの中の自然の風景を表しているように思います。

 ブラームスはこの作品を南オーストリアの避暑地ぺルチャハで書きました。作曲中友人に「ヴェルター湖畔の地にはメロディがたくさん飛び交っているので、それを踏みつぶしてしまわないよう、とあなたはいわれることでしょう。」と手紙に書いていることから、彼は自然から無数のインスピレーションを受けながらこの曲を作曲したようです。自然を連想させる印象的なパッセージがあまりにも多いので、僕はどのカテゴリーに入れればいいのか迷ってしまいました。そこで今回はこの曲の第1楽章の中でも最も好きなパッセージである第2主題を取り上げてみました。

 第1楽章の第2主題はチェロの微妙に憂いを帯びた柔和な旋律を持つとても奥の深い音楽です。とても印象深い音楽で、おそらく一度聴いたら忘れられない人が多いのではないかと思います。僕自身はじめてこの曲を聴いた中学生の時、この第2主題の深い叙情に感動して、ブラームスの音楽をもっと知りたいと思うようになりました。秋の夕べにさあっと流れて来る西風を感じる旅人のような気分にさせてくれます。

 この絶妙な色合いを持つ第2主題のように、この曲は明るいのか暗いのかよくわからない不思議さを持っています。陽と陰が織りなす妙は、彼が晩年に見せる東洋的な抒情を先取りしてると思います。

posted by やっちゃばの士 at 23:15| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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