2012年06月05日

イメージクラシック「田園」その4

ヴォーン・ウィリアムズ 交響曲第5番ニ長調より第1楽章

干拓地の夕べ
薄っすらとした白い空気が
大地を物憂げに覆う
常山の緑は濃い影を落とし
耳を澄ませば
農薬散布機の音がどこからともなく聞こえてくる

 5月から6月にかけての児島湖畔の干拓地の風景を眺めるのが、僕は好きでした。特に晴れた日の夕べは、オレンジ色の光が森の緑や湖面を美しく照らすのでした。「いつかきっと」という思いを抱きながら、静かに暮れていく時間をしばし過ごすのでした。20歳の半ば、もう15年くらい前のことです。

 僕は、この時期になるとヴォーン・ウィリアムズ交響曲第5番を毎年のように聴いています。この交響曲はどの楽章も田園情緒に満ちていて、大変素晴らしいのですが、静けさと思い出に詰まった田園情緒を感じさせてくれるのが、第1楽章と第3楽章です。この2つの楽章はつながっていて、ちょっと例えが変かもしれませんが、ベートーヴェン『田園』の第1楽章と第2楽章のような関係です。田園に到着してから、だんだん田園時間に溶け込んでいくような感じです。

 とくに第1楽章は、木管楽器の音色が独特で、ちょっと虚ろで非現実的な響きを持っています。冒頭のオーボエの響きを聴くと、僕は小さいころから田舎で夕方になると、聞こえてきた農薬散布の機械の音を思い出します。




posted by やっちゃばの士 at 10:09| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 田園 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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