2012年05月28日

イメージクラシック「五月」その5

ベートーヴェン 交響曲第2番ニ長調より第1楽章

 ついこの間まで咲いていた美しい花々は、いつの間にか姿を消し、どこもかしこも緑がものすごい勢いで生い茂るばかり、5月の新緑の成長の速さには目を見張るものがあります。

 ベートーヴェン交響曲第2番の第1楽章は、勢いよく生長する新緑のような魅力を持った音楽で、5月になると必ず聴きたくなる曲のひとつです。

期待感に満ちたワクワクするような序奏
ぐいぐいと推進力のある第1主題
雄大で伸びやかな第2主題

第3番『英雄』のように巨大な曲ではありませんが、小粒な体の中にはち切れるようなエネルギーが満ち満ちていて、「小さな英雄」というニックネームで呼んでもおかしくない曲だと思います。この交響曲を作曲した当時、ベートーヴェンは難聴に悩み、有名なハイリゲンシュタットの遺書を書きます。このハイリゲンシュタットの遺書とこの曲の関係を考えることは、とても興味深いです。

 この曲の特徴をより深く感じるために、僕は交響曲第1番、第2番、第3番『英雄』の三曲をセットで聴くのがいいと考えています。僕はこの三曲の関係を、

@第1番 蘇生レベル ホップ
A第2番 成長レベル ステップ
B第3番 完成レベル ジャンプ

と考えるからです。ベートーヴェンの交響曲は、第3番『英雄』でひとつの頂点に達し、第4番からは方向の転換を図ります。そのように考えた時、成長期にある第2番の占める位置は大変重要な位置になってきます。なぜなら、成長期は人間で言えば思春期にあたり、ここでは必ず激しい葛藤を経験するからです。成長期の戦いで得たものが、完成期の果実になるのです。僕はハイリゲンシュタットの遺書とこの2番が同時期になっていることに単なる偶然以上の価値を見出します。

 
posted by やっちゃばの士 at 09:52| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 五月 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。