2012年05月26日

イメージクラシック「風」その10

ブルックナー 交響曲第2番ハ短調より第1楽章

冷たい風と
温かい風がぶつかりあい
流れていた音楽は
ためらい立ち止まる

 北の冷たい風と南の温かい風がぶつかり合って、不安定な天気になりがちな今の季節ですが、晴れた風の強い日には、風に揺れる若葉の緑と葉裏の白がとてもさわやかです。このように風にざわつき揺れる若葉を見ていると、ブルックナー交響曲第2番の第1楽章の冒頭のトレモロを思い出します。

 ブルックナーの交響曲第2番は、ブルックナーらしい個性が初めて花咲いた交響曲です。それまで彼は3曲の交響曲を作曲しましたが、どれも成功作とは言い難い出来でした。ひんやりとした憂いを含みながらもさわやかな第1主題、素朴でコラール風の第2主題、ブルックナー特有のリズムが面白い第3主題と、第1主題から第3主題への流れは素晴らしいものがあります。

 この抒情あふれる交響曲も、最初はなかなか評価されることはありませんでした。とくに第1楽章の主題展開部は僕が聴いてもすぐわかるほど盛り上がりに欠けるという欠点を持っています。盛り上がることを自信がないためか、ためらっているような音楽です。度重なる不評にも負けず、ブルックナーはこの交響曲を何度も書き直しました。前の3作と違って彼自身の中ではこの交響曲には手ごたえを感じていたのでしょう。

 さて、上記のような欠点があり、彼の交響曲の中でも目立たないこの第2交響曲ですが、この第1楽章は、ブルックナーの交響曲の中で、最も素朴な美しい叙情を持った作品で、僕は彼の全交響曲の中で、一番気に入っています。

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ラベル:ブルックナー
posted by やっちゃばの士 at 19:48| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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