2012年01月14日

イメージクラシック「日の出」その6

シベリウス 交響曲第4番イ短調より第1楽章

暗闇の世界
地平線からかすかに顔を出す
オレンジ色の太陽
地平線すれすれに
東から西に薄暗い天を移動する
風はざわめき立ち
森の小鳥は無邪気に歌う
夜はまだ明けないのだろうか

 寒い冬の朝昇ってくる太陽はエネルギーに満ちています。鋼色に凍てついた大地を照らすオレンジ色の光は燃えるようです。体は温かくならないけれども、心の暗闇を燃える火の塊が何かを探して動くのが見えます。

 シベリウス交響曲第4番の第1楽章の冒頭。うめくような低弦の第1主題の後、金管楽器が何かを呼び覚ますように登場し、やがて音楽がクレッシェンドしていく部分は、エネルギーがだんだん満ちて最後に爆発する「日の出」のようです。ただ日の出の後空は決して明るくなることはなく、太陽は月のように暗闇の天でオレンジ色の光を放ち続けます。

 1908年、シベリウスは喉頭癌を患い手術を受けます。翌年心を癒すためカレリア地方コリ山地に旅をします。生涯で最も素晴らしい経験の一つと彼が評したこの度の直後に、この交響曲は作曲されました。そういった経験の中で生まれた作品であるため、この作品は暗闇の中を希望の光を求めてさまようような雰囲気を持っています。僕は第1楽章の冒頭を聴くたびに、シベリウスがコリ山地で体験したであろう「日の出」の光景を思い浮かべます。


posted by やっちゃばの士 at 20:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日の出 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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