2012年01月08日

イメージクラシック「雪」その5

シューベルト 4つの即興曲D899より第1曲ハ短調

透き通る冬の青空
太陽が照り続けているのに
空気はどんどん冷たくなっていく
本が詰まった重たい鞄を掲げて
ただ一人進んでいく北の大地
透明な雪がひらひらと
今にも落ちてきそうな無表情な青空を
僕は描こうと思った

 僕は20代の頃札幌に住んだことがあります。瀬戸内育ちの僕には、北国の冬の鉛色の空と地面の見えない雪と氷の世界は閉口するものがありました。たまに雲ひとつない青空の広がる日がありましたが、そういった日は、太陽が輝いているのにどんどん気温が下がっていくのでした。静まり返った冬の石狩平野をすべりながらよく歩いたものです。

 シューベルトのピアノ曲即興曲ハ短調を聴いていると、冷たい北国の青空と、いつの間にかひらひらと落ちて来る雪の景色を思い出します。静けさに満ちた空間に孤独な歌がしんしんと響いていくこの曲をシューベルトが作曲したのは1827年、死の前年です。この年には有名な連作歌曲集『冬の旅』が作曲されており、このころの彼は寂しさを強く感じていたのでしょう。透明で孤独なそのリリシズム

青空から落ちて来る透明な雪

のようです。


ラベル:シューベルト
posted by やっちゃばの士 at 14:34| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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