2012年01月07日

キーワードクラシック「よろこび」その1

ベートーヴェン 交響曲第1番ハ長調より第1楽章

 湧き出づるよろこび

 ベートーヴェン交響曲第1番の第1楽章は、ベートーヴェンの交響曲の中では地味な存在ですが、自然に心と体を喜びで満たしてくれる名曲です。特に短い序奏と、主題提示部と再現部のコデッタの和声の響きは絶妙のものがあります。この交響曲はベートーヴェンらしさがまだ開花していない曲であると評されることが一般的です。確かに曲の構成や規模はハイドン、モーツァルトの交響曲と大差がありませんが、喜びがにじみ出るような絶妙な和声の響きは紛れもなく新しい音楽です。

 ベートーヴェンの音楽の本質はよろこび

 かでベートーヴェンという人の音楽を考えてみた時、彼の音楽は「」であると僕は考えます。『運命』第9など心に迫りくる劇的な短調の作品を彼は多く残しましたし、彼が作品番号1をつけたピアノソナタ第1番も短調ですが、この交響曲第1番を聴いていると彼の音楽の本質は「喜び」なんだという思いがふつふつを湧いてくるのです。調性は最もオーソドックスなハ長調、形式はハイドンと同じというちょっとベートーヴェンらしくない大人しい最初の交響曲に、彼は喜びに満ちた新しいハーモニーを盛り込んだのでした。このことは、彼が自分の作曲技法に対して自信満々であったことを物語っています。

 みなぎる自信

 ベートーヴェンが交響曲第1番を作曲し発表したのは、1800年29歳の時でした。彼はそれまでにピアノ協奏曲、弦楽四重奏曲、ピアノソナタ等の傑作を次々と発表していましたので、交響曲の作曲は非常に用意周到になされたに違いなく、まさにベートーヴェン20代の音楽の集大成というにふさわしい作品です。彼は2年後に転機となる有名なハイリゲンシュタットの遺書を書きます。彼のキャリアが順風満帆だったとしても、第1交響曲の価値は変わらないでしょう。

 
posted by やっちゃばの士 at 22:52| Comment(0) | TrackBack(0) | よろこび | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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