2011年12月18日

イメージクラシック「雲」その2

ブルックナー 交響曲第9番二短調

雲と天上のシンフォニー

冬の冷たい空の雲を見上げていると、ブルックナー交響曲第9番を想像します。この交響曲は全部で3つの楽章からなりますが、すべての楽章が共通して雲をイメージさせます。そして、この雲は物理的な雲だけではなく、雲の向こうにある天上世界までをイメージさせるという点が特徴的です。

僕はそれぞれの楽章に次のような標題をつけたいと思います。

第1楽章 天上からの召喚と地上への別れ
混沌とした冒頭のトレモロが冬の厚い雲を描き、やがて雲が割れて光が差し込むように、金管楽器が天上からの声を伝えたかと思うと、空が割れてミケランジェロ『最後の審判』のような大伽藍が、壮大な第1主題と共に姿を現す。祈りに満ちた第2主題。演歌のような第3主題は地上への別れの歌

第2楽章 雲の上雲の上のスケルツォ。
冒頭の神秘的な木管と弦のピッチカートは、神秘的な雲の上の印象を表す。突然、天使たちが雲の上を足踏みしながら踊りだす。

第3楽章 天上世界天上を流れる川には、白鳥たちが静かに浮かんでいる。神秘的で虚ろな木管の響きは、白鳥の鳴き声のようである。やがて白鳥にも別れを告げて、天上の旅へと出発する。

 ブルックナーの交響曲で、すべての楽章がこのようなこの世のものとは思えない響きを持っているのは異例であり、同じ後期3大交響曲の中でも、第9番と第8番との間には大きな隔たりがあるように思われます。

 ブルックナーは生涯最後のこの交響曲をに捧げました。通常は、作品が完成すると誰か人に献呈するのが当時の習慣でした。このことから、この交響曲が特別な意味をもった作品であることがわかります。雲と天上世界の響きは僕の勝手なイメージではなく、ブルックナー自身が意図したことなのだと僕は考えています。


ラベル:ブルックナー
posted by やっちゃばの士 at 12:31| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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