2011年12月02日

イメージクラシック「雨」その13

チャイコフスキー 交響曲第5番ホ短調より第1楽章

 冷たい雨が朝から降り続く1日でした。朝カーテンを開けると外は暗く、庭は濡れていました。僕は朝から降る雨が好きなのですが、今日の雨は思った以上に冷たく、肌を刺すような痛みを感じました。冬将軍に親しみを感じて接すると、思わぬしっぺ返しがくるものです。

 「この冷たい雨の中を俺は行かなければならないのか」

 チャイコフスキー交響曲第5番の第1楽章の第1主題。重い足取りだが毅然とした態度で前進する音楽です。この第1主題の前には、陰鬱な深い霧の中のような序奏があり、重くて暗い「運命の動機」をクラリネットが吹きます。やがて雨が上がり、人生を回顧するかのような優雅な第2主題が、夢の世界へ誘いますが、やがて現実に引き戻され過酷な運命を背負いながら決然とした態度で、音楽は進み続けます。

 チャイコフスキーの交響曲は全6曲で、4番から6番までは後期3大シンフォニーとして大変有名です。僕は「冬」のカテゴリーで、交響曲第4番を取り上げ、冒頭のファンファーレを

冬将軍の到来

と名付けました。この第5番でも冬将軍は生きており、第6番『悲愴』までその影響力は続きます。3曲とも個性に富んでいますが、どの曲にも共通するのは「重さ」と「暗さ」で、この3曲は作曲年が隔たっていますが、チャイコフスキーの人生観を象徴的に表した連作ととらえる方が自然ではないかと思っています。 

チャイコフスキーには冬が良く似合う

posted by やっちゃばの士 at 23:52| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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