2011年11月30日

キーワードクラシック「チャイコフスキーのワルツ」その1

バレエ組曲『くるみ割り人形』より第8曲「花のワルツ」

 先日、長女と次女が通っているバレエ教室の発表会がありました。本格的なストーリーと舞台装置、実演時間は3時間とバレエ教室とは思えない充実した発表会でした。主な演奏プログラムは『不思議の国のアリス』と『くるみ割り人形』。特に『くるみ割り人形』は抜粋ではなく、第2幕がすべて通しでしたので僕は驚きを感じてしまいました。

 発表会終了後、僕の頭の中では『くるみ割り人形』の音楽が何度も何度も繰り返されていました。対照的に『不思議の国のアリス』の音楽は全く思い出すことができません。僕はバレエのことはよくわかりませんが、チャイコフスキーの音楽があってこそ『くるみ割り人形』という名作バレエが成り立つのだということを改めて感じました。ちなみに、今から120年前の初演の時、聴衆はバレエではなく、チャイコフスキーの音楽を聴きに来たというエピソードが残っています。

 小学校時代、『くるみ割り人形』組曲のなかの「行進曲」や「花のワルツ」等いくつかの曲が毎日の掃除の時間に全校放送されていました。当時の僕は「素敵な音楽だけど、いったい何という曲名なのだろう」と毎日のように関心を持って聞いていました。好奇心はやがて行動へと変わり、音楽辞典で調べてみましたのです。メルヘンチックな音楽なので、きっと題名がある音楽に違いないだろうという目星をつけて調べました。題名があるメルヘンチックな曲ということで、プロコフィエフ『ピーターと狼』サン=サーンス『動物の謝肉祭』などの絵があるページを開くと、同じページにはチャイコフスキーの『くるみ割り人形』組曲が載っていました。曲のあらすじを眺めてみると「花のワルツ」の記載があり、僕は直感的に「これに違いない」と思ったのでした。当時の僕でもワルツが4分の3拍子の曲であることは知っていたのです。レコードを買ってもらって、予想通りの音楽が聞こえてきた時の喜びの大きさは今でも忘れることができません。

 「花のワルツ」は『くるみ割り人形』全曲の中で、おそらく最も感動的で印象深い曲であると同時に、チャイコフスキーの作品の中でも最も有名な曲の中のひとつです。チャイコフスキーは生涯にわたって、多くの印象的なワルツを作曲しました。彼のワルツの特徴は、非常にメルヘンチックで感傷的な情緒をもっていることで、「花のワルツ」もまさにそのような雰囲気に満ちています。

 ワルツはもともとドイツ、オーストリアの舞曲で、19世紀の前半にはウィンナーワルツ(ウィーンのワルツ)として世界中に広まりました。ウィンナーワルツの作曲家として名を馳せたのが、ヨハン・シュトラウス2世で、彼は「ワルツ王」と称されています。このワルツを舞曲としてではなく、独自に音楽の表現手段として交響曲や管弦楽曲などの音楽作品に取り入れたのが、チャイコフスキーでした。チャイコフスキーはよほどワルツが自分の肌に合ったのでしょう。音楽作品としての聴きごたえはチャイコフスキーのワルツ以上のものはありません。そういう意味では彼こそがワルツ王の名にふさわしいと僕は考えます。

 明日から12月。12月になると優雅で感傷的なチャイコフスキーのワルツが、街の明るいイルミネーションの影が作る寂しさに花を添えます。

posted by やっちゃばの士 at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | チャイコフスキーのワルツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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