2011年11月18日

イメージクラシック「夕暮れ」その5

ブラームス 弦楽四重奏曲第3番変ロ長調より第2楽章

新古今和歌集に有名な三夕の歌というのがあります。

寂しさはその色としもなかりけりまき立つ山の秋の夕暮(寂蓮法師)
心なき身にもあはれは知られけりしぎたつ澤の秋の夕暮(西行法師)
見わたせば花も紅葉もなかりけり浦のとまやの秋の夕暮(藤原定家)

どの歌も日本の秋のわびしさがひしひしと伝わってくる名歌だと思います。秋の夕暮れのさびしさやわびしさに対しては古来より独特の美意識を日本人は抱いてきたのでした。西洋に同じような美意識や歌があるのかどうか僕は詳しく知りませんが、ブラームスの作品の中には秋の夕暮れを感じさせる作品が少なからずあります。

ブラームスの秋の夕暮れを感じさせる室内楽3選

弦楽四重奏曲第2番イ短調の第2楽章アンダンテ
弦楽四重奏曲第3番変ロ長調の第2楽章アンデンテ
弦楽五重奏曲第1番ヘ長調の第2楽章

 この3曲の緩徐楽章は、ブラームスの室内楽の中でも特に秋の夕暮れの情緒を強く感じさせてくれる作品です。この中で、弦楽四重奏曲第2番と弦楽五重奏曲第1番の第2楽章は、器楽的な旋律で始まりますが、弦楽四重奏曲第3番の第2楽章だけは、歌謡的な旋律で始まります。先回秋のソナタのところで、弦楽四重奏曲第3番の第1楽章を取り上げましたが、こちらは器楽的な音楽です。したがって、第1楽章が終わって、歌う第2楽章に入ると、なんだか非常にハイテンションになったように感じます。

 ブラームスはしばしば緩徐楽章の途中で、激情的になることがあるのですが、この曲もそのような部分を持っています。秋の夕暮れの寂しさに感極まったのかもしれません。

posted by やっちゃばの士 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 夕暮れ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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