2011年11月04日

イメージクラシック「疾走」その2

ハイドン 交響曲第44番ホ短調『かなしみ』より第1楽章

 疾走するかなしみ

 この言葉はモーツァルトのト短調交響曲の代名詞のようになっていますが、僕はモーツァルトの交響曲以上にこの言葉がふさわしいと思うのが、ハイドン交響曲第44番の第1楽章です。物憂い第1主題から非常にテンポの良い第2主題にかけての流れるような展開は、とても鮮やかな印象を与えてくれます。

 この曲はハイドンのいわゆる「シュトルム・ウント・ドラウング(疾風怒濤)期」に作曲されています。ハイドンは交響曲を生涯で104曲残しましたが、短調の作品はわずか9曲で、9曲のうち6曲がこの「シュトルム・ウント・ドラウング期」に書かれています。この時期ハイドンは田舎の貴族エステルハージ家のお抱え楽長の職にあり、まさに音楽のことだけを考える生活を送っていたのでした。僕には、山での修行僧のように、ハイドンがひたすら音楽の表現の可能性を深く追求した期間だったのではないかと思われます。

 音楽が流れるように疾走するので、あまり悲劇的なイメージがありませんが、時折ソロで登場するホルンの物憂い響きが孤独感に満ちていて、ひたすら音楽道を求道するハイドンの孤独な心が表れているように僕には思えます。

ラベル:ハイドン
posted by やっちゃばの士 at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 疾走 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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