2011年08月27日

イメージクラシック「夕暮れ」その4

フランク 交響曲ニ短調より第2楽章、第3楽章

夏の終わりの夕暮れ
蝉しぐれは静寂を増し
静寂の中を思い出は駆け巡る
浜辺に打ち寄せる波の音
田舎での楽しい体験
あの時も蝉が鳴いていた
せめて蝉の鳴き声だけは続いてほしい

 夏の終わりの夕べのひと時、僕はフランク交響曲ニ短調の第2楽章を聴きたく思います。静かな孤独を感じさせる弦のピチカートに乗って歌い出すイングリッシュホルンの鄙びた響きは、夏の終わりの寂しさに満ちています。イングリッシュホルンの孤独なつぶやきが終わると、夏の楽しい思い出が浮かび上がるように、きらきらと輝くさざ波のような美しい音楽が登場します。

 フランクがこの傑作交響曲を作曲したのは60歳を過ぎてからのこと。僕はこのヘビーな交響曲を聴くたびに、フランクの60年分の想いが濃縮されて詰まっているなあと思います。この交響曲の特徴に、一度登場した主題が別の楽章でも繰り返し現れる循環主題の巧みな使用がありますが、過去の思い出のように繰り返して登場する循環主題の発想は、年をとった作曲家ならではの発想ではないかと考えます。

 第2楽章の主題は最終楽章である第3楽章でも登場し、懐かしい思い出を回想するかのような名残惜しさをもって登場します。ベートーヴェン第9や、ブルックナー第5にも同じような前楽章の主題を回想するシーンがありますが、フランクの音楽はそれらと比べると静的なイメージを持つ回想という言葉では言い表せないものがあるように感じます。

夏の美しい思い出よさようなら

ラベル:フランク
posted by やっちゃばの士 at 23:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 夕暮れ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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