2011年07月15日

イメージクラシック「朝」その7

ベートーヴェン ピアノソナタ第8番ハ短調『悲愴』より第1楽章

「朝」という言葉からは、さわやかなイメージを感じる人が最も多いと思われますが、そのように感じない人もいるかと思います。「朝」は現実世界の始まりなので、現実に対して、嫌な思いや苦しいことなどがあると、さわやかどころか「重い気持ち」になってしまうのではないでしょうか。そして、「重い気持ち」を感じながらも、元気を出して朝を出発するのです。

 ベートーヴェン『悲愴』ソナタの第1楽章の序奏は、上記のような朝の始まりにぴったりな音楽です。重く沈んだような冒頭の主題が、左手の連打に乗って、繰り返しながら次第に上昇していく様子は、まるで重い心を引っ張って、前へ向かって行こうとする心の動きのように感じます。

 僕は中学生のころ、朝学校に行く前にこの曲をよく聴きました。「負けるものか」という心と、感傷的な心のブレンドに酔っていたのです。この曲は、ベートーヴェンが27歳の時の作品で、『ハイリゲンシュタットの遺書』以前の初期の傑作の一つです。非常に青年らしい息吹が感じられ、ぜひ若いうちに出会うべき曲だと思います。

posted by やっちゃばの士 at 19:44| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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