2011年06月24日

イメージクラシック「風」その5

ヴォ―ン・ウィリアムズ 交響曲第5番ニ長調より第2楽章スケルツォ

湿度の高い1日でしたが、結構強い風も吹いていて、風の通り道では、時折汗も体も吹き飛ばされそうでした。街路樹の葉っぱが風に揺らされて、白い葉の裏を一斉になびかせる光景は気持ちの良いものでした。

草原の空に舞う一枚の白いハンカチ

 ヴォーン・ウィリアムズ交響曲第5番ニ長調は、田園情緒を余すことなく伝えてくれる作品です。ヴォーン・ウィリアムズはイギリスの田園情緒をその多くの作品の中で表現していますが、この交響曲第5番は『田園交響曲』(交響曲第3番)と並んで、代表的な傑作となっています。僕の頭の中では、

交響曲第3番は春の田園情緒
交響曲第5番は初夏の田園情緒

という整理を勝手にしていますが、どちらの交響曲にも自然と感じられるのが「」の音です。「風」が描写されているわけではありませんが、僕は両曲に「風」のイメージを感じます。これはベートーヴェンの田園交響曲にはない風情で、おそらくイギリスという島国で育ったヴォーン・ウィリアムズが幼少のころから感じていた強い偏西風のイメージがあるからではないかと思います。

 特に交響曲第5番の方は、各楽章に風のざわめきのような音楽が登場します。この風のざわめきは、どこか不安な心を暗示させるようなものがあります。この曲が作曲されたのは1942年、まさに第2次世界大戦の真っただ中であることを考えると、戦争あるいは文明社会への不安といったものが知らず知らずのうちに表れているのかもしれません。第2楽章スケルツォは、どこか落ち着きがなく忙しない音楽ですが、風に流されてひらひらと舞うハンカチのように、自然あるいは運命に流される小さな存在を少し諧謔的に表しているように感じます。

posted by やっちゃばの士 at 18:12| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。