2011年06月11日

イメージクラシック「海」その4

メンデルスゾーン 序曲『フィンガルの洞窟』

 
 雨の降り続く灰色の瀬戸内の海。普段は穏やかな波も、ごおっという音とともに白い波しぶきを上げる。島々は靄につつまれて、青くぼやけた輪郭だけがかすかに見える。

 メンデルスゾーン『フィンガルの洞窟』のレコードを買って聴いたのは確か中学1年の6月でした。僕は毎日、授業が終わると海岸沿いに設置されたテニスコートへと部活のために向かいました。曇りがちな6月の砂浜を走りながら、頭の中はこの曲のメロディでいっぱいでした。靄の煙の中にうっすらと浮かぶ船や小豆島、岬の映像に神秘性を感じながら、冒頭の第1主題を奏し、波の静かな音を聴きながら第2主題の波の音を想像するのです。

 メンデルスゾーンは海が好きだったみたいで、この曲以外でも『静かな海と楽しい航海』を書いています。ハンブルグという港町に育ったこともあり、海に対して小さいころから親近感を持っていたのかもしれません。同じハンブルグ出身のブラームスが海嫌いで、海を想像させる曲を1曲も残していないのと対照的です。この両者の違いは、おそらく富裕層と貧民街という生まれ育った環境の違いにあるのではないでしょうか。



posted by やっちゃばの士 at 18:40| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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