2011年05月30日

イメージクラシック「雨」その10

ラフマニノフ 交響曲第2番ホ短調より第1楽章

 丸2日間雨が降り続き、2日目の晩を迎えようとしています。相変わらず空はどんよりと曇り、いつもより早く点灯した街灯のオレンジ色の光が濡れた路面を寂しく照らします。救いようのない暗さではないが、どこまでも続いていく濡れたオレンジ色の光のトンネルの中を目指すべき目標に向かって歩いて行くのは憂鬱なものです。

 ラフマニノフ交響曲第2番の第1楽章の陰鬱で長大な序奏。雨の夜のオレンジ色の光を見ると、僕の心はこの陰鬱な情緒を持つ音の波に包まれていきます。憂鬱だが心地よいこの音楽は、まるで次々と押し寄せてくる波のように、心に打ち寄せて響きます。乾いた痛みを何度も何度も包みこもうとする癒しの波のようです。

 ラフマニノフがこの交響曲を作曲した時、彼の創作意欲はとても旺盛で、ピアノ協奏曲第2番で得た作曲家としての自信にも満ち溢れ、この曲を一夏で書き上げたと言われています。と同時に、この交響曲には彼の並々ならぬ思いが込められているようにも思います。交響曲第1番の初演の大失敗により彼の心は大きな傷を受け、作曲をすることがほとんどできなくなってしまいました。そんな彼にとって交響曲での成功は悲願であったに違いありません。

 交響曲第1番の初演大失敗による苦しみから次第に立ちあがり、自信を取り戻していく彼の歩みそのものがこの交響曲第2番に描かれていると僕は思います。陰鬱だが癒しに満ちた夜の雨のように豊かな抒情を降り注ぐ名曲です。





 

 
ラベル:ラフマニノフ
posted by やっちゃばの士 at 00:12| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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