2011年05月20日

イメージクラシック「雨」その9

ブラームス ピアノ四重奏曲第1番ト短調より第2楽章

 夜も更けて、ひっそりと一人外へ出る。街灯の明かりに霧のような雨が白く光っている。5月の雨は冷たくはないが、汗ばんだ額を冷ましてくれる。悲しさと同時に心地よさを感じる。目標に向かって真っすぐに進めない停滞した自分を、少し離れた位置から見てみると。

 ブラームスピアノ四重奏曲第1番の第2楽章インテルメッツォ(間奏曲)は

悲しみと快感

が混じった不思議な音楽です。短い曲ですが、曲の最初から最後まで続く弦のシンコペーションは、執拗に降り続く雨のようで、悲哀な曲想に独特の緊張感を与えます。この緊張感は大変心地よく、この曲は何度聴いても飽きが来ない不思議な魅力を湛えていると思います。

 この曲はブラームスが20代半ばの時に作曲されましたが、シューマンの死んだ1856年から大作『ドイツ・レクイエム』で大作曲家の仲間入りをする1868年までの約10年ちょっとの間に、優れた室内楽作品をたくさん残しています。この時期の作品は、才気あふれるシャープな独創性と、内向的にメラメラと燃える暗い情熱と、長大な音楽とがっぷりと組む若々しさに満ちていて、とても聴きごたえがあります。



ラベル:ブラームス
posted by やっちゃばの士 at 23:52| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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