2011年05月14日

イメージクラシック「五月」その4

シューマン ピアノ五重奏曲変ホ長調

 1年の中で最も幸福感に満ちている月はいつかと問われれば、おそらく多くの人が五月と答えるのではないでしょうか。生命力に溢れたこの月は、新鮮で前向きな気持ちにしてくれる力を持っているように思います。

新緑の野原を駆けていく白馬

のような気分で前進したいものです。

 シューマンピアノ五重奏曲は、まさにこの白馬のような躍動感と、白馬の澄んだ目が見ているような夢心地感をもった作品です。シューマンがこの曲を作曲したのは1842年。クララと結婚した1839年から後の3年間はシューマンの人生で最も幸福に満ちた期間で、それまでピアノ曲しか作曲していなかったシューマンは、1年ごとに他のジャンルの傑作を堰を切りだしたように作曲したのでした。

1840年 「歌の年」『詩人の恋』、『リーダークライス』、『女の愛と生涯』等
1841年 「交響曲の年」交響曲第1番『春』、交響曲第4番
1842年 「室内楽の年」ピアノ五重奏曲、ピアノ四重奏曲、弦楽四重奏曲

 ピアノ五重奏曲は、シューマンが作曲した初めての本格的な室内楽作品で、まさに長年貯めていたエネルギーが一度に爆発したような勢いを持っています。実際、シューマンはわずか数週間でこの曲を完成させました。ちょっと荒削りで緻密さに欠けるところがありますが、躍動感とシューマン独特の夢見るような曲想がそういった欠点に勝っており、この特徴が、彼の室内楽の最高峰と僕が思っているピアノ四重奏曲よりも、人気が高い所以だと思います。5月のこの季節になると決まって聴きたくなります。




ラベル:シューマン
posted by やっちゃばの士 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 五月 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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