2011年04月18日

イメージクラシック「春の室内楽」その5

ブラームス ピアノ三重奏曲第1番変ロ長調

青年時代というのは、季節に例えると春から初夏にかけての時節であると言えます。梅の咲くまだ冷たい雨が降る3月のほろ苦さも、桜が散って若葉が伸びる4月の勢い良さも青年時代に感じる心情を象徴するものです。青年時代でなければ書けない作品というものが存在します。20歳を過ぎたばかりのブラームスが作曲したピアノ三重奏曲第1番はまさにそのような曲です。
 
 1853年、20歳のブラームスはシューマン夫妻を訪ねます。翌年に作曲されたこの曲には、シューマン夫人への想いが濃厚にあふれていると思います。ブラームスは絶対音楽にこだわり、曲に標題性を持たせないことに徹底した作曲家でしたが、彼が人生で最初に作品番号をつけたこの室内楽作品は、標題音楽以上に強い標題性あるいは感情の動きを伝えてくれる作品となっています。

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 春の美しい梅や桜に憧れを抱きながらも、花冷えの寒さと苦さに落胆する青年の揺れる心を思いながら聴きたい曲です。

第1楽章 憧れと切なさが同居したような第1主題は何度聴いても忘れられない名旋律です。また、第2主題のためらうような表現はこの曲を一層悩ましいものにしていると思います。

第2楽章 不安と怖れを抱きながらも、次第に青空へ昇っていく雲雀のさえずりのような音楽です。

第3楽章 夜一人で明日が来るのを待ちわびるような雰囲気があります。シューマンの室内楽を彷彿とさせるところがあります。

第4楽章 夢から現実に突き落とされるような音楽で、青年の失恋を描いているように思えます。曲は最後に短調になって締めくくられます。



ラベル:ブラームス
posted by やっちゃばの士 at 06:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 春の室内楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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