2011年02月22日

イメージクラシック「春」その4

グリーグ ピアノ協奏曲イ短調


石走る垂水の上のさわらびの萌えいずるはるになりにけるかも(志貴皇子)


 まだちょっと早いかもしれませんが、川の水の音を聴いていると、雪と氷の冬が溶けて、春に向かって流れていくのを感じます。青空にさんさんと照り続ける太陽を見ていると、僕の頭の中では、肌寒さを忘れて、現実よりも早くが進んでいきます。

 グリーグピアノ協奏曲は、「厳しい冬と春の到来」を感じさせてくれる名曲です。グリーグが北国ノルウェ―の作曲家だからでしょうか、この曲は「北国の春」的情緒に満ちています。ノルウェーの代名詞ともなっているフィヨルドや北国の海や湖、山の情景が自然と浮かんでくるのだから不思議です。

 この曲のもう一つの大きな特徴は

若々しさ
瑞々しさ
温かさ

で、同じ北欧でも「」のところで紹介したシベリウスヴァイオリン協奏曲とは全く異なっています。これは、グリーグの人柄と作曲の時に置かれた状況が大きく原因していると思います。

@グリーグの小さいものをいとおしむような温かい性格。
A25歳というまさに作曲家として成長の真っ盛りに作曲された。期待感に満ちている。
B2年後結婚することになるニーナへの愛情。

このようにして、このフレッシュなピアノ協奏曲が誕生したのでした。

第1楽章 アレグロ 冒頭のティンパニの連打とピアノのカデンツァは余りにも有名。第1主題とほの暗さと第2主題の温かさが北欧の青年の瑞々しい叙情を歌います。

第2楽章 アダージョ 弱音器をつけた弦楽器が、霧のかかったような北欧の情景を表現します。やがて霧は晴れて、ピアノが美しい叙情的な旋律を歌います。将来の妻二―ナへの愛情が感じられます。

第3楽章 アレグロ テンポの良い冬の舞曲で始まります。やがて激しい舞曲は止まり、美しい民謡的な主題をフルートが歌います。この部分は春の到来晴れを告げているようで、何度聴いても鮮烈で、とても印象に残ります。

 第1楽章の冒頭が余りにも有名なため、残りの楽章の印象が薄くなってしまっていますが、上記に述べたように、第2、第3楽章は宝の宝庫であり、全曲を聴いてこそはじめてこの曲の素晴らしさを感じることができるのだと思います。



 
ラベル:グリーグ
posted by やっちゃばの士 at 06:27| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。