2011年02月13日

イメージクラシック「冬」その2

シベリウス ヴァイオリン協奏曲ニ短調

極寒の澄み切った北の空を、悠然と滑空する鷲のように

 シベリウスは自作ヴァイオリン協奏曲ニ短調の第1楽章冒頭の第1主題に対して、上記のように述べています。この曲のイメージを表現するのに、この作曲者の言葉以上のものはないと思います。

厳しさ
冷たさ
物悲しさ
ほの暗さ
さびしさ

おそらくこの曲を聴いて多くの人がこのような印象を抱くことと思いますが、これらのキーワードはすべて「極寒の冬」に当てはまります。特に全曲の半分を占める第1楽章は、ほの暗く冬の冷たさがひしひしと伝わってきます。オーケストラは盛り上がりそうなところで突如として沈黙するので、もどかしくまるで極寒の厳しさの中に閉じ込められたような気分になります。シベリウスの作品の中で、このような閉塞感のある音楽は他に交響曲第4番の第1楽章、第3楽章だけではないかと思います。

 僕は中学生のころ、はじめてこの作品を聴きましたが、この第1楽章の閉塞感についていけませんでした。確かクレーメルの演奏だったと思いますが、LPのA面がこの曲、B面がシューマンのヴァイオリン協奏曲でした。この2つの暗いニ短調協奏曲は、中学生の僕には余りにも重く感じられ、何度か聴いただけでお蔵入りになってしまいました。その後シベリウスのいろいろな作品を聴きこんできた僕は、今ではこの曲をシベリウスらしさが表れた傑作として聴くことができるようになりました。 

 最後に、第2楽章第3楽章は、第1楽章とは対照的な温かみを感じる親しみやすい音楽です。僕は、このギャップに作曲者の意図を感じますが、結果的に聴き手に救いの心をもたらしてくれ、やはり大作曲家の傑作です。






ラベル:シベリウス
posted by やっちゃばの士 at 09:08| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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