2011年01月25日

イメージクラシック「日の出」その3

ドヴォルザーク 弦楽セレナードホ長調より第1楽章

 寒い冬の地平線からゆっくりと昇ってくる太陽。霜柱で盛り上がった大地は目を覚まし、小鳥は歌う。この厳かな瞬間をいつまでも心にとどめておきたいと、僕は何度も心のシャッターを押した。

 ドヴォルザーク弦楽セレナードの第1楽章。ヴィオラが刻む伴奏に乗って、表れる優雅な主題は日の出の光景を連想させてくれます。エネルギーに満ちた大地の呼吸をヴィオラが、ゆっくりと上昇してくる太陽が、優雅な主題と言った感じです。

 この楽章は3部形式からなっていて、規模という面では非常に小さく、第1楽章というより、全曲の序奏といった方がいいのかもしれません。この曲とともに抒情的な弦楽セレナードの名曲として演奏されるチャイコフスキーのセレナードの第1楽章が大規模なのと対照的です。特に面白いのが、中間部のゆっくりした舞曲のような音楽から、終結部で再び冒頭の主題が戻ってくる場面のところです。中間部の終わりの方で、音楽は緊張感のある混沌とした場面を迎えます。ここで、チャイコフスキーやブラームスなら、深刻もしくはドラマティックな展開になるところですが、ドヴォルザークは踏みとどまり、冒頭の平和な主題に帰ります。こういった音楽の展開が、この楽章がさわやかで穏やかな朝の印象を与えるのに大きな役割を果たしていることは言うまでもありません。

posted by やっちゃばの士 at 23:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 日の出 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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