2010年11月17日

イメージクラシック「秋のソナタ」その2

モーツァルト 弦楽四重奏曲第17番変ロ長調『狩』(ハイドンセット第4番)

 膨大なモーツァルトの傑作の中で、最も「秋のソナタ」にふさわしい曲として頭に浮かぶのが弦楽四重奏曲第17番変ロ長調です。この曲は第1楽章の冒頭の主題が狩りをイメージさせるので『狩』というニックネームで親しまれています。この冒頭の狩りの主題を聴くと

秋の澄み切った青空と朝のひんやりした紅葉の野山

が自然に浮かんできます。

この有名な第1楽章だけではなく、他の楽章も秋を感じさせてくれる豊かな楽想にあふれています。

第2楽章モデラート 短いトリオ。中間部の弦のリズミカルな刻みとそれに乗る優雅な音楽は、「昔昔あるところに」という語りかけのようで、少年時代に昔話を聴く時に感じた胸の期待感を連想させてくれます。

第3楽章アダージョ 秋の夕べをイメージさせてくれる美しい音楽です。そこはかとないさびしさとわびしさが混じっています。次の歌を思い浮かべます。

さびしさはその色としもなかりけりまき立つ山の秋の夕暮れ(寂連)

第4楽章アレグロ モーツァルト独特のスピード感のある音楽です。まるで草原を白馬で駆けていくような気持ちよさがあります。また対位法が巧みに生かされていて立体感もあり聴きごたえがあります。思わず「今日は楽しかったね。」という笑みがこぼれそうです。

 モーツァルトはハイドンの弦楽四重奏曲を聴いて感動し、6曲の弦楽四重奏曲を作曲し、ハイドンに献呈しました。このハイドンセットの作曲においては、速筆のモーツァルトが異常に長い時間をかけて推敲に推敲を重ねたと言われています。そのためか、この6曲は曲の内容の充実度という点においてモーツァルトの全作品の中で頂点に立つものではないかと思います。この『狩』だけがニックネームのせいか有名になっていますが、他の5曲も互いに引けを取らないユニークな作品です。

ラベル:モーツァルト
posted by やっちゃばの士 at 13:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 秋のソナタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。