2010年10月27日

イメージクラシック「風」その2

ショパン ポロネーズ第1番、第2番

 この秋はじめて吹く木枯らしに、桜の紅葉がひらひらと飛ばされていくのを見ました。まだ暖かい日が来るだろうと思いながらも、季節の移り変わりの速さを実感しました。

 季節は循環するので、次の暖かい季節の到来を誰しもが疑いません。したがって、季節は希望の絶対指標となります。人は古来から人生を季節の循環に例えてきました。「厳しい冬を乗り越えて、明るい春がやってくるだろう」という思いは誰しもが抱いてきたのではないでしょうか。

 ショパンにとっての春は、祖国ポーランド解放でした。ショパンが生まれたポーランドはショパンが生まれる半世紀ほど前から、ロシア、ドイツ、オーストリアの侵略を受け、領土を奪われてきた歴史を持っています。ショパンの生まれる15年前の1795年には領土を外国によってすべて奪われてしまいました。ショパンは侵略国から弾圧を受ける同胞の姿を見ながら少年時代から青年時代の多感な時期を過ごします。ショパンが20歳の時、ウィーンに留学に行きますが、その直後ワルシャワで武装蜂起が起こったため、パリに行くことを決意したのでした。フランスは3つの侵略国からポーランドを守ってくれる希望の国でした。その後、彼は終に故国ポーランドに戻ることはなかったのです。

 ショパンの音楽が上記のような国の運命に影響を受けていると思うことがよくあります。彼の音楽には演歌のようなところがあり、僕はポーランドと同じ保護国としての屈辱を味わった韓国の歌が持つ「恨(ハン)の心」に近いものがあるように感じます。

 ショパンのポロネーズ第1番、第2番の中に僕は「恨(ハン)の心」を感じ取ります。ショパンにはソナタやバラード、スケルツォといった暗い情熱を感じさせる作品は多くありますが、祖国への想いを感じるという点ではポロネーズが一番です。彼は少年時代から多数の習作ポロネーズを作曲してきましたが、はじめて本格的作品として出版したのがこの第1、第2ポロネーズです。ポロネーズはポーランドの民族舞踊ですが、この2作には民族色はほとんど出てきません。その代り何か強い想いを抱かせる力を持っています。特に、第1番冒頭の強靭な連打音は一度聴いたら忘れられない強烈な印象を与えてくれます。




ラベル:ショパン
posted by やっちゃばの士 at 01:13| Comment(2) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして、言葉から連想される音楽、というのに興味をひかれてやってきました。ショパンのポロネーズ僕も好きですが、背景とか胸の内を想像することがなかったなーと気付きました。わかりやすくて美しい文章ですね。また、おじゃまさせてください。
Posted by sansjanbon at 2010年11月08日 00:44
sansjanbonさん、コメントありがとうございます。ポーランドの歴史を勉強すると、ショパンの音楽を違った角度から感じることができると思いますよ。
Posted by やっちゃばの士 at 2010年11月08日 22:10
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