2010年08月07日

イメージクラシック「夜明け」I

サン=サーンス ピアノ協奏曲第3番変ホ長調

 大作曲家にはそれぞれの得意ジャンルがあります。彼らはどのジャンルにも優れた作品を残していますが、その中でもとりわけて曲の質と量が充実しているジャンルがあります。フランスのサン=サーンスにとって最も充実しているのが協奏曲です。彼はピアノ協奏曲5曲、ヴァイオリン協奏曲3曲、チェロ協奏曲2曲を作曲しました。その中でも、ピアノ協奏曲の5曲という数は注目に値する数で、ベートーヴェン以降の作曲家でピアノ協奏曲を5曲作曲できたのは、サン=サーンスとプロコフィエフのみです。

 サン=サーンスのピアノ協奏曲第3番は、彼の5曲のピアノ協奏曲の中では第1番と並んで影の薄い存在です。僕は以前3番のCDを買おうとカタログを調べたところ、3番単独のCDが全く存在しないことがわかり、仕方なくピアノ協奏曲全集を買ったことがあります。

 このようにマイナーですが、曲想はいかにもサン=サーンス風の洗練された香りに満ちていて、形式的にも独創性があります。僕はこの曲の第1楽章の冒頭の序奏が好きで、この序奏は夏の晴れた日の夜明けのような曲想を持っています。

木管楽器はさわやかな朝の空気
不協和音でうねる弦楽器はだんだん白んでくる空
序奏の最後グリッサンドで上奏するピアノは日の出

を表しているように感じます。この部分を聴いていると、ちょっとラヴェル左手のためのピアノ協奏曲に似ているなと思ってしまいます。ラヴェルが手本にした作曲家はサン=サーンスでしたので、ひょっとすると関係があるのかもしれません。

posted by やっちゃばの士 at 18:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 夜明け | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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