2010年07月14日

イメージクラシック「雨」E

ドビュッシー 版画より第3曲『雨の庭』

 今までイメージクラシック「」で取り上げた曲は、具体的に雨をテーマにした音楽ではなく、主観的に雨をイメージさせる可能性のある音楽でした。今回のドビュッシーの『雨の庭』は、庭に降る雨の情景から感じた印象を音にした曲です。従って、視覚的な要素の強い音楽となっています。

 ドビュッシーは印象主義音楽を確立した作曲家として有名です。印象主義音楽とはなんでしょうか。


印象主義音楽とは、気分や雰囲気の表現に重点を置き、感情を排した音楽


です。従来の音楽との違いを「雨」を例にとって考えてみます。ショパンの「雨だれ」を聴くと、作曲者の暗い影のある心情がひしひしと伝わってきます。ピアノの雨音は作曲者の感情を引き立たせる役割を果たしていて、感情を主とするならば、雨音は従の関係にあります。一方、ドビュッシーの「雨の庭」には、うれしい、悲しいといった感情がありません。雨の動きと、雨が上がって晴れ間が見えてくるときの雰囲気が感覚的に表現されています。

 それではドビュッシーの音楽に感情が全くないのかと言うとそうでもありません。そもそも感情と気分、心と体、音楽と視覚などは明確に区別することはできないものです。もしも、このことが可能ならば芸術自体が非常に幅の狭いものになってしまうでしょう。ドビュッシーはこのピアノ曲集に『版画』と名付けました。この言葉は印象主義音楽という言葉以上に、ドビュッシーの目指した音楽をわかりやすく伝えてくれます。

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歌川広重 東海道五十三次 庄野



ラベル:ドビュッシー
posted by やっちゃばの士 at 16:11| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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