2012年12月28日

イメージクラシック「雪」その6

ハイドン 交響曲第26番二短調『ラメンタチオーネ』より第2楽章

太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪降りつむ
次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪降りつむ
(三好達治『雪』)

 窓辺から見ると外は銀世界。音もなくひらひらと夜空から雪が降ってきて、どこの家も白い帽子をかぶって、同じような家に見えます。清められた白い帽子の下には、温かい家庭が等しく存在するように思えてきます。

 ハイドン交響曲第26番『ラメンタチオーネ』の第2楽章は、グレゴリオ聖歌が用いられていて、本当に心が温かく清められる音楽です。ハイドンの巧みなオーケストレーションが、原曲以上に聖夜のような雰囲気を作っていると思います。ハイドンの交響曲の中では、地味な存在ですが、僕はこの小曲が大変気に入っています。

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2012年12月13日

イメージクラシック「夜」その11

ブラームス クラリネットソナタ第1番へ短調より第1楽章

初冬の寂しい夕べ
薄暗い灯りのともった部屋だけれども
どこか暖かい

 ブラームスクラリネットソナタ第1番の第1楽章。寂しくもどこかほっとするようなその音楽は、日が暮れてその日の疲れを引きずりながらも、仕事から解放されてほっと一息つくときに、聴きたくなる音楽です。ブラームスの最晩年に書かれただけあって、寂しさがにじみ出ていますが、どことなく暖かさが感じられる不思議な味わいがあります。

 マーラーの屋根裏部屋で親しい音楽仲間がこの曲を演奏するのを聴いて魅了され、「どんな作品もそうだけれど、それを正しい雰囲気で聴かないと、あらゆる効果は失われてしまう。」と語ったそうです。(『グスタフ・マーラーの思い出』ナターリエ・バウアー=レヒナー著より)

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タグ:ブラームス
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2012年12月11日

イメージクラシック「冬」その9

ハイドン オラトリオ『四季』より冬

いま色あせた年が沈み
冷たい霧が降りる。
灰色の霧が山を包み
ついに平野も霧に閉ざされる。
昼だというのに、太陽は
どんよりとした光しかさしかけない。

 ハイドンオラトリオ『四季』の冬の冒頭に歌われる一節です。この短い一節の前に、短い序奏が入りますが、この序奏は初冬の霧の様子を見事に表現している印象深い音楽で、ロマン派の音楽を先取りしていると言われています。

 霧の濃さとともに、冬の寂しさと冷たさが伝わってきますが、僕は次のような短歌の情景を、この音楽から連想します。

村雨の露もまだひぬ真木の葉に霧立ち上る秋の夕暮れ(寂蓮法師)

自然と日本の四季の風景をイメージしてしまうようです。

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