2012年10月02日

イメージクラシック「疾走」その4

ラフマニノフ 交響曲第1番ニ短調より第1楽章

 南方に台風が迫っているためか、東京湾の浅瀬の海面がエメラルドのような不気味な色になっていました。黒い雨雲が近付いてきているようですが、まだ雨は降っていません。緊張に満ちた海を横目に僕は帰路を急ぎました。

 嵐の前の緊張感に満ちた空と海を見ると、ラフマニノフ交響曲第1番の第1楽章の冒頭の不気味なユニゾンを思い浮かべます。この交響曲はラフマニノフらしい繊細さと切迫したデモーニッシュな楽想とが絡みうとても引き締まった作品ですが、ラフマニノフの音楽が持つ特有の美しさよりも、何かおどろおどろしい不気味さが全体を支配しています。最終楽章は、チャイコフスキー第4、第5交響曲のようにどこか空騒ぎめいたフィナーレであるのもちょっと異例な感じがします。

 この交響曲をラフマニノフが作曲したのは彼が22歳の時です。彼はピアノの作曲家、演奏家として有名ですが、この曲の持つシンフォニックな完成された響きを22歳の若さで書くということは、彼が作曲家として並々ならぬ才能があったことを物語っています。ヴィルトーゾでシンフォ二ストと言えば、リストが有名ですが、ラフマニノフはまさにリストと同じタイプの作曲家だと思います。



 
ラベル:ラフマニノフ
posted by やっちゃばの士 at 16:26| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 疾走 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。