2012年10月18日

イメージクラシック「旅」その4

ドヴォルザーク 交響曲第2番変ロ長調より第3楽章スケルツォ 

秋の大パノラマを大鷲に乗って舞う

 渓谷が美しい季節がやってきました。週末になると無性に山に出かけたくなって、気分もワクワクします。

 雄大な大パノラマを思いながら、聴きたくなる曲がドヴォルザーク交響曲第2番の第3楽章のスケルツォです。交響曲第2番はマイナーな曲であまり知られていませんが、ドヴォルザークらしい抒情に満ちた旋律が随所に見られ、特に暗い森を思わせる第2楽章と、雄大なパノラマを見下ろすような第3楽章は一度聴いたら忘れられない優れた楽想を持っています。

 第3楽章は、3部形式からなりますが、とても規模が大きく曲の長さが他の楽章と同じく12分余りあります。スケルツォ楽章でここまで大きいものはドヴォルザークの9曲の交響曲のうちこの曲を除いてはありません。中間部はとても雄大、雄渾な音楽で、美しい渓谷を見下ろしながら舞う大鷲のような気分にさせてくれます。

posted by やっちゃばの士 at 21:42| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月14日

イメージクラッシック「夢」その10

シューベルト ピアノソナタ第16番イ短調より第1楽章

静寂、孤独、沈黙 そして夢

 秋の澄んだ冷たい空気に触れると、シューベルトのピアノソナタを聴きたくなります。夕闇に一艘映える紅葉と沈黙する林は静けさに包まれ、いつものと同じように時は流れていきます。

 シューベルトのピアノソナタ第16番の第1楽章は、同じイ短調のピアノソナタ第14番とよく似た雰囲気を持っています。ピアノソナタ第14番はなにか強い決意と悲壮感が漂ってくるのに対して、この16番は暗い森の情景のようなロマン性を持っているのが特徴です。
 
 展開部で、第1主題がフォルテになるところは、何か夢か幻を見ているような迫力があり、沈黙の多いこのピアノソナタの中でとても印象的です。このソナタはシューベルトのソナタの中でも、珍しく生前に評価されたものですが、彼はどのような気持ちでこの曲を作曲したのだろうかと思わされます。

posted by やっちゃばの士 at 11:40| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月02日

イメージクラシック「疾走」その4

ラフマニノフ 交響曲第1番ニ短調より第1楽章

 南方に台風が迫っているためか、東京湾の浅瀬の海面がエメラルドのような不気味な色になっていました。黒い雨雲が近付いてきているようですが、まだ雨は降っていません。緊張に満ちた海を横目に僕は帰路を急ぎました。

 嵐の前の緊張感に満ちた空と海を見ると、ラフマニノフ交響曲第1番の第1楽章の冒頭の不気味なユニゾンを思い浮かべます。この交響曲はラフマニノフらしい繊細さと切迫したデモーニッシュな楽想とが絡みうとても引き締まった作品ですが、ラフマニノフの音楽が持つ特有の美しさよりも、何かおどろおどろしい不気味さが全体を支配しています。最終楽章は、チャイコフスキー第4、第5交響曲のようにどこか空騒ぎめいたフィナーレであるのもちょっと異例な感じがします。

 この交響曲をラフマニノフが作曲したのは彼が22歳の時です。彼はピアノの作曲家、演奏家として有名ですが、この曲の持つシンフォニックな完成された響きを22歳の若さで書くということは、彼が作曲家として並々ならぬ才能があったことを物語っています。ヴィルトーゾでシンフォ二ストと言えば、リストが有名ですが、ラフマニノフはまさにリストと同じタイプの作曲家だと思います。



 
ラベル:ラフマニノフ
posted by やっちゃばの士 at 16:26| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 疾走 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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