2012年04月12日

イメージクラシック「さくら」その2

ショパン ピアノソナタ第3番ロ短調より第3楽章

しっとりと肌を濡らす春の雨
ひらひらと舞い落ちる桜の花
のようなこのひととき

 まるで満杯になったコップから水があふれるように、たわわに満開になった桜の枝からはひらひらと花弁が落ちてきます。桜の花がもっともたわわになった瞬間を知ることもなく、花弁が舞い落ちて来るのを見て満開の美が過ぎ去っていくのをただだまって見ている僕。音が表れては消えていく時間芸術と言われる音楽も、幸福なひと時も、この桜の美のようにとらえられることなく過ぎ去っていきます。

 美しく散っていく桜の花を見ていると、ショパンピアノソナタ第3番の第3楽章ラルゴの中間部の美しい旋律が思い浮かびます。この楽章はこのピアノソナタの中でも最大の長さを誇り、美しい幸福に満ちた夢のひと時を与えてくれます。美しい音楽をたくさん残したショパンですが、おそらくこの楽章は彼の作品の中でも最も美しいものではないでしょうか。

 ショパンがこのピアノソナタ第3番を作曲したのは、恋人ジョルジュ・サンドと最も幸福な関係にあった時であったためか、このソナタは全楽章にわたって大変美しくまた堂々とした楽想を持っています。ショパン特有の諧謔や病的な要素は影を潜め、その点では前作のピアノソナタ第2番変ロ短調『葬送』とは対照的です。

120411_1307~01.jpg

ラベル:ショパン
posted by やっちゃばの士 at 17:54| Comment(0) | TrackBack(0) | さくら | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。